航時機

昔のことを思い出しつつ気の向くままに書いてます。

神は神のままでいるべきだ。

 

こんにちは。ちいたむです。

暇です。仕事なくなったら帰れればいいのにね。

 

最近はもっぱら読書にお熱です。

書店で2冊くらい買ってはすぐに読み切っています。

何も考えないでiDで買ってるけど、次の請求大丈夫か?

 

では本題。

 

***

 

わたしの好きな作家の一人にコンビニ人間村田沙耶香さんがいます。

小説に限らず創作って、多少ヤバいぶったもん勝ちというところがある気がすると個人的に思っているのですが、彼女の場合は根本的に狂っている感じがするんですよね。

 

突拍子もない設定なら常人に思いつかないこともないけれど、登場人物の様子やら思想がおかしい(褒め言葉)ので、本当に狂ってるんだと思う(褒め言葉)。ウィキペディアによると、有名作家から「クレイジー沙耶香」と呼ばれているらしい。

 

そのあとに言うのもなんなんだけど、そのおかしさが自分に通ずるところがあってめちゃめちゃ共感することがある。

わたしはよく普通について悩んで哲学しているんだけど、村田さんも普通に苦しんだろうなってよくわかる内容が多い。

 

コンビニ人間は、変わった主人公がマニュアルを通して普通になった気になっている。普通という概念に悩んでいなければこんなこと書かないよなっていうのは、普通に悩んでいる人間だから切実に感じられた。

 

今回は村田さんの紹介ではないのでこの辺にとどめておくんだけど、ああこの人、なんてわたしと似たようなヤバさを抱えているんだろう!もっとこの人のことが知りたい!と思って、いつもは絶対読まないエッセイを買ってしまったんですよ。

 

テーマはアラサー女子の悩み。婚活、産むか産まないか、シワが増えてきた、無理がきかなくなった、華美な服が似合わなくなってきた…というある時期女性にいっぺんに降りかかる憂鬱が詰まった読んでて辛くなる作品だった。

 

わたしはどこか村田さんに、わたしと同じような苦しみを持って生きていることを期待していたのかもしれない。でも本を読む限り、この人わたしよりうまく普通してるじゃねえか!という気持ちになってしまって…嫌いになったわけではないんだけど、なんか萎えてしまったんです。絶対この人の方がおかしいのに…(褒め言葉)

 

なんか魔法が解けちゃったみたいな。彼女の作り出す世界感に埋もれてたのに、バックボーンが見えることで舞台の裏側が透けちゃったようで。

人形劇の操り師が見えちゃったら、それは人形劇じゃなくて、操り師の所業になっちゃうでしょ。わたしは人形劇が見たいから、操り師は見たくないんだよね。

 

最近は神がハイタッチしてくれたり、お話してくれたりするらしい。でも、神は神だ。自分の土俵に下げるものではない。作家に関する情報なんて性別と出身大学くらいで十分。

 

わたしは神を地に落としてしまった。そもそも、神に親近感を覚える方が失礼だ。

 

小説って、テーマがあって、伝えたいことがあって、それをいろんな世界を通して伝えるから、自分の経験とか思考がいくらかは反映される。

エッセイを読むということは、その人のネタ帳を盗み見るようなことで、わたしは「ああこれはあそこで語っていた設定だな」なんて思っちゃうから物語に全く集中できなくなる。

 

エッセイが悪いわけじゃない。わたしがエッセイを読むべきではないだけ。

 

神は神のままでいた方が、もっと神を崇められる。そっちの方がアブナイ思想なのかな。裏側を知ること、知りたいと思うことが普通なんだろうか。

 

また普通とかどうとかいうお話になっちゃいそうなのでこの辺にとどめておきます。

 

とりあえず、村田沙耶香さんの本はとても面白いのでぜひ読んでください。

 

 

ちいたむ拝