航時機

昔のことを思い出しつつ気の向くままに書いてます。

文化にのって、時空を超えて。

 

昔からイラストを描くのが好きで、

中学生の時、お絵かき仲間にこんなことを言われたのを今でもよく覚えてる。

 

「ちいたむの絵って、本当にわかりやすい。」

 

その子以外にも、同じようなことは何度か言われたことがある。

格別うまいわけでもなく、

どちらかと言えばパースがくるってうまい方ではないけれど特徴的だったらしい。

 

 

当時はわからなかったが、私の絵は「古臭さ」があるのだ。

90年代、00年代を過ぎ、目元も鼻もさっぱり描かれる現代の流行イラスト。

以前ツイッターで、きゃりーぱみゅぱみゅがその象徴のようだと言及したが、

言い得て妙だと自負している。

 

しかし、当時から変わらぬ私の絵柄は、鼻筋が通った「濃い」もの。

これは他でもない、車田正美先生の絵柄に影響を受けているからだ。

 

他にも、小学生の時に大好きだったベジータを描き過ぎたおかげで

首を太めに描いてしまう癖がいまだに抜けていないなど、

自分が好きな漫画の影響が、再び描き始めた今でも残っている。

 

三つ子の魂百までとは言ったもんだが、本当にそうなんだなぁと

身を持って実感している。

 

 

全く持って本論に関係のない、ちょっとしたイラストの話題から。

私の懐古癖は結構筋金入りという話がしたかっただけなんです。

 

 

 

当時読み切れなかった往年の名作を、

経済力がついた今取り返す様に読んだり、見たり、しているわけですが

ここ最近気づいたことがいくつかある。

 

私の生まれは90年代。

バブリーで、様々な素晴らしいコンテンツが生まれていた80年代を

しっかりと感じて生きてこれなかった。

 

流行した曲、使われていた言葉、ファッションなど…

両親から聞いたり、インターネットで調べたり、

「知識」として、簡単に知ることができるものは知っている。

 

けれども、肌で感じ取れるものは、表面的なものだけだ。

 

しかし、漫画の世界観ににじみ出るものを通じて、

その頃の時代への理解を深めることができるのだと、

最近読んでいる奇面組・男塾を通じて痛感している。

 

例えば二つの作品に共通して出てきたのが、

「外国人に対するコンプレックス」というテーマである。

 

男塾には、外国人留学生のJという仲間がいる。

彼が所属する海軍学校の生徒たちが来日する際、

教官鬼ヒゲが1号生に対し、西欧人に対するコンプレックスを抱えた発言をする。

内容はなかなかの下ネタであり、

こんなの子供向けの週刊誌に載せていいのかwというようなものだ。

 

この時点でも、あの時代はそんな思想があったんだ~

という発見があったのだが、

つい先日ハイスクール!奇面組を読み返した際にも

外国人コンプレックスに出会ったのだった。

 

アニメでは、ナンシーがしっかりと登場する回は描かれておらず、

確か初めて登場したのはデッサン回だったと思うのだけど…

 

漫画では、彼女が扱う日本語が容姿に似合わない「なまり」であるが故に

英語を話していた、という設定が細かく描写されている。

 

その際に同級生たちが抱えていたのが「外国人に対するコンプレックス」である。

先進国入りを果たしたこの時代の人々にとって、

英語を話せないことが、焦り…コンプレックスとして現れていたのではないかと推測する。

 

同時代の作品であるとはいえ、

ここまで直接的に言葉と思想が描かれていることにかなり驚いている。

 

中学や高校で古典の時間、当時の様子が描かれているものを取り扱っては

その文化を学ばせられたものだったが、

それらが理にかなっていたのだと、改めて知らされ、

感嘆せざるを得ない…

 

 

趣味を通して、憧れの時代を感じることができると知って、

これからも、同時代の作品を読み漁っていこうと心に強く誓いました。

 

 

余談ですが、うちの大学の宗教学の教授が、ディズニーランドをテーマに講義をされていまして。

「昔のディズニーランドは海外(モチーフ)だった」というようなことを仰っていました。

 

現代の人々がディズニーランドに「非日常」を求めに行っているのに対し、

当時の人々は「海外旅行」的な感覚で訪れていたそうです。

 

それを象徴するのが、「和柄ミッキー」の登場と裏づけられる…

何故なら、当時は「海外」を求めていたので、ディズニーランドに「和」はいらず…

なんてことを習ったものでした。

すごく興味深かったので、想いだして書けるぐらいには覚えております。

 

東京ディズニーランドができたのは1983年。

ハイスクール!奇面組が始まったのは1982年。

時代が被ってる…まさかこんなにバッチリだとは、調べるまで知りませんでした。

 

80年代初頭ごろの人々は、海外に憧れ、コンプレックスを抱いていたのですね。

またひとつ、時代がひも解けてうれしいです。

 

なにか関連することが思いついたり、考え付いたら、綺麗にまとめていければと思います。

 

 

 

 

 

ちょっと前に形にしていたブログですが、

適当に書き変えて、公開できそうなものになったので載せておきます。